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教員が語る大学院の魅力(ビジネス・会計ファイナンス専攻 小嶌正稔 教授)

中小企業の経営者と共に社会を支える覚悟はあるか

小嶌先生

(掲載している内容・所属は、2017年9月現在のものです)

Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

 現在の小嶌にとっての研究とは、社会的な課題の解決そのものです。研究者としての生活の中で、とにかく研究業績を積み重ねることで、たくさんの知識、知見、研究能力を身に付けてきました。このような生活も30年以上経過し、研究目的(動機)が社会的な課題解決に移り、研究成果の基準が社会的有用性にたどりつきました。思い切って言えば「社会の課題解決に結び付かない論文は紙くず」ということでしょうか。「研究者として研究」=社会の課題解決です。

 

Q.ご自身が研究者になった経緯をご紹介ください。

 私は大学卒業後石油会社に勤めました。石油会社の派遣留学でイリノイ大学の大学院に設置されたPIATAイリノイプログラムに留学させていただきました。当時は大手の会社がごぞって社員を海外の大学院に送っていました。この時に一緒に留学した仲間は、いまだに集まって情報交換をしています。イリノイ大学院では、マーケティングで著名な教授と出会い、さまざまに面倒を見ていただき、研究生活を垣間見ました。その後、ニューヨークの現地法人の勤務を経て、研究生活に入りました。ニューヨークでの仕事は、アメリカにおける流通の新業態の調査研究で、全米を調査に駆けずり回りました。この時の経験が研究者への直接的な機会となりました。

 

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどのようなテーマを研究されているのかご紹介ください。

 私の専門領域は中小企業経営、フランチャイズ、石油流通と幅が広く、他の方から見ると、どんな繋がりがあるのかと思われるかもしれません。研究の始まりは石油流通の研究、石油会社のマーケティングチャネルでした。石油流通の研究は、こんな具合に研究領域の広がりにつながっていきました。石油流通は、もっとも古いフランチャイズ形式の流通形態です。わが国では系列意識が強く、直接的にはフランチャイズとは言えません。しかし石油における取引契約や販売交渉過程などの研究を突き詰めていきますと、企業間の取引形態としてのフランチャイズの研究をする必要が出てきたのです。これがフランチャイズに研究領域が拡がった経緯です。そしてフランチャイズ研究をしていますと、フランチャイズが大企業と中小企業の関係によって成り立っており、中小企業と大企業との企業間関係の研究が不可欠になってきました。わが国では中小企業と大企業の研究は、先進的な大企業と遅れた中小企業からなる二重構造論などが中心となってきましたが、研究を進めていくと、大企業だけではなく、中小企業も発展し、両者が社会経済の発展に重要なことに気づかされます。この企業間関係の視点からの研究は現在の中小企業経営にとってとても重要な視点であり、ここから中小企業経営に研究領域が再度、拡がっていきました。この3つの研究に共通しているのは、いずれも研究を始めた当初はメジャー(主流な)研究視点ではありませんでしたが、現在では中心的な研究視点として注目されています。

 

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

 大学院は研究能力を開発するところです

 大学院で学ぶことの魅力は、そのまま自分の人生の可能性を高めることです。しかしこれは頑張って受け取った学位が示してくれるものでも、資格が実現してくれるものではありません。大学院の成果の前提として学位や資格の取得がありますが、これで終わってしまうなら、大学院から得られるモノ(成果)は半減してしまいます。私は、大学院は研究する能力そのものを、自分で意識的に開発することだと思っています。この能力は、自分が特定の課題を研究する中でしか身につけるとことができません。研究能力は物事を考え、課題の核心を捉え、常識を疑い、新しいものを生み出すのに欠くことのできない能力です。われわれは、解決しなければならない課題に囲まれて生活しています。この課題の解決には、多くの人が、それぞれの視点で、新しい多くのものを開発することでしか解決できません。だからこの研究能力が自分の人生の可能性を高めてくれるのです。研究能力ってなんですか。まずは課題そのものを探す力(これが一番難しい)、課題を特定する力、課題を分析する力、結果を伝える力です。そう!伝えなければ終わらない、のです。

 

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言お願いします。

 中小企業の経営者と共に社会を支える覚悟はあるか

 私のゼミ生は、中小企業診断士登録養成課程の学生が大半です。東洋大学大学院の登録養成課程では修士の資格と中小企業診断士の資格を同時に得ることができます。そのため学ぶ目的はさまざまですが、共通する目的は診断士の資格の取得です。しかし重要なのは診断士の資格を得る勉強を始めた時の目的ではなく、大学院で学んだあとに抱いてほしい目的です。本気で中小企業の経営者と悩みを共有し、中小企業で働く人々を支える覚悟をもって課題に取り組んでいくことを土台にした目的であってほしいと思っています。何とも青臭いことはわかっていますが、これをもたずに研究の成果を社会に伝え、活かしていくことはできません。私のゼミにはこんな考え方を語れるようなゼミナリステンに集ってもらいたいと考えています。

 


プロフィール

氏名: 小嶌 正稔(こじま まさとし)

経歴: 現在、東洋大学大学院経営学研究科ビジネス会計ファイナンス専攻 教授

1982年 中央大学商学部商業貿易学科卒、民間企業を経て1989年 産能短期大学専任講師
1993年青森公立大学経営経済学部助教授
1994年Atkinson Graduate School of Management, Willamette University 客員研究員を経て、2001年から東洋大学経営学部教授

学位: 博士(経済学)(東北大学)

専門: 中小企業経営、フランチャイズ経営論、石油流通

著書: 単著『スモールビジネス経営論-スモールビジネスの経営力の創成と経営発展-』 同友館(2014年)

単著『石油流通システム』 文眞堂 など多数

http://ris.toyo.ac.jp/profile/ja.deca7055919b40e9b644fd6be74d5f41.html