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先輩からのメッセージ 安藤 圭祐さん

[応用化学専攻 博士前期課程1年] 安藤 圭祐さん

「接触反応によるマリモカーボンの合成と複合材料化」というテーマで研究をしています。マリモカーボンとは、所属する研究グループが開発した新しい炭素複合材料です。ダイヤモンド微粒子(sp3炭素)を核として、繊維状ナノ炭素(sp2炭素)が成長し密集した球状構造を持っています。触媒金属をはじめ、反応温度や反応時間などの合成条件によって、その微細構造を制御することができます。マリモカーボンを複合材料として応用する際には、ほしい構造を再現性よく得る必要があります。

 

研究では、マリモカーボンの系統的な合成を行い、合成条件と得られるマリモカーボンの微細構造の関係を電子顕微鏡や様々な分析装置を用いて調べています。結晶性の高いCNFsからなるマリモカーボンは、固体高分子型燃料電池の電極触媒担体として用いることで、二次電池としての耐久性の向上を期待して研究を進めています。さらに、電池以外の複合材料化を念頭に、繊維状ナノ炭素の複合化技術に関する論文調査を行い、試行実験の準備をしています。

研究では、論文調査に苦労しています。一般的に研究活動は8割が論文調査であると言われています。これから行おうとする研究の背景、先行実験、動向、技術内容、自分の研究の位置づけなどを論文から読み取ります。論文を読むためには筆者の意図を正確に捉えるための英語力と専門知識が必要となります。論文に書かれた英文をただ日本語に直しただけでは意味がないと考えています。しかし、もともと英語に苦手意識があったので、時間がかかり、苦労しています。


|相手に伝えるためには、自分で自分の研究の位置づけを理解する

学会発表の準備では、自分の研究の位置づけと実験結果の整理を大事にしています。自分が行った実験を説明するためには、はじめに研究の位置づけの説明が必要です。研究の背景の説明に筋が通っていないと、その実験を行う意図は相手には伝わりません。また、自分の主張を述べる際には、実験結果を示す順番が重要です。講演要旨や原稿について先生や研究室のメンバーを巻き込んで打合せを行い、より分かりやすい発表が出来るような準備をしています。


|知識だけでなく、経験やスキルを身に着けることができる大学院

化学を自分のバックグラウンドとした仕事がしたくて大学院に進学しました。大学卒業後、化学とはあまり関連性のない一般企業に就職しました。忙しい日々を送る中で、将来自分がどの様な仕事で社会と関わっていきたいかを考え、化学をバックグラウンドとした仕事がしたいと思い至りました。より高度な化学の専門知識と研究の方法論を学ぶため、転職ではなく進学を選びました。東洋大学の大学院に進学したのは、すでにご理解をいただいている研究室の先生と、学部時代にお世話になった共同研究先の先生方、親しみあるダイヤモンド研究室の存在があったからです。他大の院を受験することは選択肢にはありませんでした。

大学院は、これからの社会に求められる能力を一つでも多く習得する場であると考えています。大学院に進学しなければ経験できないことがあります。学会発表や高度な分析装置の運転、海外留学などがその例になると思います。自分の研究テーマを通して学んだ研究活動の方法論は、社会で役立つスキル(問題解決力)となり、仕事の選択肢を増やすことができます。

就職活動の観点として、学部卒で就職活動して思うことは、初めから仕事の内容が学部と修士で違うということです。2年多く勉強しているので、それだけ専門性に対する期待が大きいのです。将来の仕事として化学系のエンジニアが頭に浮かぶのであれば、是非、大学院でスキルを磨いてほしいと思います。また、大学名は選考に関係していません。知名度を狙って他大の大学院に進学するよりも、学部4年の研究を引き継いだ方が充実した活動が出来るのではないでしょうか。

 

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