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先輩からのメッセージ 上野 大二郎さん

電力線通信(PLC : Power Line Communications)という情報通信システムに関する研究をしています。PLCは家庭内等のコンセントを使いLANケーブルや無線等の手間がかかる通信設定無しで手軽にネットワークを構築出来る点で次世代の主力情報通信技術になる事が見込まれています。しかしながら、コンセントに家電が接続されると通信品質が劣化してしまいます。この現象の解明や対策法に関する研究を行っています。本研究はPLC普及の足掛かりになる研究であり、先端的な内容です。そのため新しい知見を得られる所が魅力です。

上野さん

現在の課題は、シミュレーションをどのように行うかの予定立てです。これまでは主に実験中心の研究を行って来ました。シミュレーションも行った事はありますが、自分で組んだプログラムを基にしていたので、GUI付きのパッケージソフトで本格的なシミュレーションを行った経験がありません。これからノウハウを蓄積させていけたらと考えています。


―研究成果が形になることの喜び―

「研究成果を論文等の形でまとめあげる事」が、研究の面白さのひとつです。研究には苦労がつきもので、成果は簡単に得られるものではありません。それでも、時間をかけていくと、成果が積みあがってきます。そうすると、成果を発表したい、世に出したいと思うようになります。論文等の形で自分の研究成果を発表出来た時、研究を続けてきてよかった、と報われるような気持ちになります。研究者として自分の研究を皆に知ってほしいという思いは日頃からあるので、それを達成出来た時、研究を続けていく上で最も楽しいと感じます。

上野さん


―念入りな準備で挑んだ国際会議―

 IEEEが主催するISPLCというPLC関係の国際会議で発表をしました。会場はドイツのデュッセルドルフ近くの大学で、比較的小規模で、私のセッションでは日本人の発表は私一人でした。トルコ、マレーシア、アメリカ、イギリス、フランス等各国の研究者が集まって、フリータイムには情報交換などをさせて頂き、貴重な体験となりました。

学会発表に向けて、まず発表の2、3か月前に予稿を書きあげなければなりません。国際会議の場合はもちろん英語で書きあげなければなりませんし、査読もあります。つまり、研究成果が十分であり、かつ英語力が問われる事になります。英語を「書く」事は「話す」事よりも数段難しい事ですし、テンプレートを逸脱した予稿はそれだけで不採用の可能性もあります。プレゼンテーションも英語で行わなければならないとあって、事前の発表練習も国内の学会発表より入念に行います。

国際会議では、英語で発表する事と、日本人が少ないということもあり、国内の学会発表よりも緊張しましたが、全体的には上手く発表できました。準備を念入りに重ねた事が実を結んだと思っています。

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―授業の課題が大学院進学を目指すきっかけに―

指導教授である篠永英之教授の学部生対象の講義「情報通信工学Ⅰ」「情報通信工学Ⅱ」で、自宅周辺の電柱のスケッチを描き、ワイヤ等の役目を説明する課題がありました。課題を進めていくうちに、あらゆる形態のコミュニケーション、機器と機器、あるいは人と人とのコネクションについて強い興味が湧き、大学2年生の時点で進学を決意しました。また、篠永教授の人柄にも好意を抱き、同教授の元で研究がしたい、と思うようになりました。それから独学で情報通信に関する事柄を勉強し、大学院進学に備えました。


―大学院進学を検討している方へ―

 一度希望の研究室に足を運ぶ事をお勧めします。そこで先輩方から普段どのように研究を行っているのか、学会発表はどの様な感じなのか等大学院での生活を聞き、雰囲気だけでも感じる事が大事です。大学院は研究を行う所であって、自らスケジュールを立てて動かなければいけません。自分の自主性がそれに見合ったものであるかどうかを判断しなければならないと思います。何より、研究に対する情熱が無いと大学院で研究成果を挙げられないので、情熱を大切にして下さい。そうすれば、立派な研究者として2年間を過ごす事が出来ると思います。

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