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教員が語る大学院の魅力(中村光宏教授)

情報技術とデザインの融合

中村光宏先生


Q.先生の研究内容と、その魅力について教えてください。

私の専門はプロダクトデザインです。プロダクトデザインは、生活者の身近にある製品(車、電化製品、家具、雑貨など)のデザインのことを言います。最近は、スマートフォンやタブレットなどタッチパネルと画面表示を利用し操作する製品も多く、グラフィカルユーザーインターフェースデザインもプロダクトデザインに含まれると考えています。基本的には大量生産・大量消費を前提としているために、多くの生活者が目にし、手に取り、使用するモノやコトのデザインです。

プロダクトデザインの一番の魅力は、自分の作品が生活の中で利用されることにあります。私がデザインしたヘッドホンやヘッドホンステレオプレイヤーは、その製品の特性上、生活者が実際に使用しているところを様々な場所で目にしました。さらに、TVドラマや映画で使用されたり、多くの雑誌に取り上げられる時の喜びは言葉で言い表すことができません。もちろん、モノの使いやすさ、機能性、美しさの追及には多くの時間を要しますし、それ以外にも経営者、商品企画者、エンジニア、製造所などとの合意形成なども困難なことがたくさんあります。ただ、世の中に自分の作品が評価されるということは、その苦労を忘れさせてくれます。

一方で、デザインはその生活者の人生に深くかかわります。使い勝手が悪ければ、その人の人生のその瞬間を台無しにしてしまう。とても責任が重く、時には一本の線を引くことすらためらうことがありますが、人の人生に深くかかわっているという充実感もプロダクトデザインの魅力であり、プロダクトデザイナーをやっていてよかったと思える瞬間です。

 

Q.プロダクトデザインの「いま」について教えてください。

現在、私が研究をしているのは、サステナブルデザインと呼ばれるものです。これまでのプロダクトデザインの多くは大量生産、大量消費を前提としたものでしたが、21世紀型のサステナビリティー(持続可能性)に配慮した社会実現への期待が増す中で、そこにデザインの果たす役割があるのではないか、と考えています。

地球温暖化のみならず、少子高齢化や貧困、格差社会など多くの課題を抱えている社会に対し、デジタル技術や情報連携技術を活用し、生活者の感性や知性に沿った21世紀型のプロダクトデザインであるサステナブルデザインの在り方とその手法を確立することを研究の目的としています。

 

Q.情報連携学研究科で学び、研究することの魅力について教えてください。

現在では、様々な分野でコンピュータを利用した製品開発が主流になってきております。また、製品自体も、特に、車や家電製品はインターネットにつながり、ネットワークによる情報連携により暮らしが豊かになってきています。コンピュータサイエンスをベースにしたプロダクトデザイナー(ハイブリッド型デザイナー)、言い換えれば、情報技術とデザインを融合し理解を深めた専門性のあるデザイナーが、これからは広く社会に求められると考えます。さらに、企業における製品開発では、専門性が異なる多くのエキスパートと一緒になってプロジェクトを遂行します。情報連携学研究科でも、コンピュータサイエンスをベースにしつつ、「エンジニアリング」、「デザイン」、「ビジネス」、「シビルシルテム」と4つの専門性が異なる研究者が集まり、連携しながらプロジェクトを遂行するプログラムが準備されています。社会のニーズに応えたより実践的な研究ができる環境と経験豊富な教授陣が整っているところが魅力だと考えます。大学での4年間では足りず、より専門性を深めたい学生の方も、いったん社会に出て、再び、更なる専門性を深めたい、また、新たな専門性を身に付けたい社会人の方も、是非、チャレンジしてみてください。


プロフィール

氏名: 中村 光宏(なかむら みつひろ)

経歴: 1983年 3月 九州芸術工科大学(現、九州大学)大学院芸術工学研究科
修士課程修了

    2008年 7月 ソニー(株)クリエイティブセンター チーフアートディレクター

    2014年 4月 東洋大学 ライフデザイン学部人間環境デザイン学科 
  非常勤講師 現任

    2014年 9月 (株)サステナブルデザイン研究所 代表取締役  現任

    2015年 7月 東京大学 先端科学技術研究センター 特任研究員

    2016年 4月 東京大学 先端科学技術研究センター アドバイザー  現任 

    2016年 9月 東北大学大学院環境科学研究科博士課程修了 博士(学術)

    2017年 4月 東洋大学情報連携学部 教授

専門: プロダクト・デザイン

受賞:
■GOOD DESIGN賞 公益財団法人日本デザイン振興会 (日本)
・1995年 平成7年度 GOOD DESIGN 賞受賞(デジタルマイクロレコーダー NT-2)
・1997年 平成9年度 GOOD DESIGN 賞受賞(ストリートスタイルヘッドホン MDR-G61)
・1999年 平成11年度 GOOD DESIGN賞受賞(ポータブルCDプレーヤー D-E01)
・2012年 平成24年度 GOOD DESIGN賞サステナブルデザイン賞・経済産業大臣賞受賞
(家庭用小型蓄電池 CP-S300 シリーズ)
・2016年 平成28年度 GOOD DESIGN賞受賞(電子ペーパー楽譜表示端末 "musik")

■発明賞 公益社団法人日本発明協会(日本)
・1999年 平成11年度 発明賞受賞(ネックバンド方式ヘッドホン MDR-G61)

■iF Design Award(ドイツ)
・1997年 ストリートスタイルヘッドホン MDR-G61
・1999年 ポータブルCD プレーヤー D-E01

■Red Dot Design Award(ドイツ)
・1997年 ストリートスタイルヘッドホン MDR-G61
・1999年 ポータブルCDプレーヤー D-E01

■MONO マガジン(日本)
・1997年 SUPERGOODS OF THE YEAR 編集部特別賞
ストリートスタイルヘッドホン MDR-G61


 (掲載されている内容は2017年4月現在のものです)