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Ⅴ.ガバナンス・マネジメントに関する中期計画

ガバナンス・マネジメント2020 年4 月施行の改正私立学校法により学校法人のガバナンス強化が求められている。また、年々難しくなる社会情勢の中で学校法人や設置学校の持続可能性を考えれば、法人ガバナンスだけでなく、財務マネジメント、人事マネジメント、ファシリティマネジメントをベースとした各種マネジメントの高度化が必須である。今中期計画においては、ガバナンス・マネジメントに重点を置き、以下の通りの計画を立てている。

1.法人ガバナンス(ガバナンスコードの遵守)

本法人は、日本私立大学連盟が2019 年6 月に策定した私立大学ガバナンスコード(第1 版)を踏まえ、本法人において一層の強化が必要と考えられるものについて、今中期計画に位置付けている。

・長期的戦略の立案

「国内外の教育研究情勢調査及び大学運営戦略能力の強化」

東洋大学創立150 周年(西暦2037 年)や、22 世紀に向けてどのような学校経営をしていくのかを考えるためには、5 年程度の展望では足りず、数十年のタームで大学経営戦略を構築する必要がある。そのため、国内外の教育研究情勢や世界の動向を幅広く意識し、高度な戦略を構築する能力を強化する。

・信頼性・透明性の確保

「情報公開体制の整備」

法令で定められた情報の公開はもとより、本法人における教育研究活動や経営に係る公開すべき情報については、公正かつ信頼性の高い情報を迅速かつ網羅的に発信する必要がある。社会的な説明責任を果たすとともに幅広いステークホルダーの理解が得られるよう公開情報へのアクセス方法やわかりやすさなどを更に工夫するとともに情報公開に関する基準等を整備する。

「コンプライアンス基本規則の整備」

本法人における業務は、法令、社会規範、本法人が定めた諸規則、本法人が策定した行動規範に基づき実行されなければならない。その根幹となる本法人におけるコンプライアンス基本規則を整備し、役員、教職員によるコンプライアンスの徹底を推進する。

「法務業務体制の強化」

グローバル化に伴う法務やキャンパスの更なる整備等はもとより構成員による各種のトラブル等の対応に関しては法令に基づく適切な措置が求められる。法律顧問契約による法律相談窓口を設置しているが、法務部門の部署を設置するなど、迅速かつ的確な法的根拠のもと業務に取り組むことができる環境を整備し強化する必要がある。

「監事監査体制の整備」

改正私学法(2020 年4 月1 日施行)では、監事の機能(権限)が強化されたが、法人ガバナンスの監査体制は、監事監査に限るものでなく本法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事象について総合的に対応できるようにする体制や、常勤・常任監事の登用を検討し、より一層内部監査室、会計監査人と連携する体制など、監事監査を支える体制を整備する。

・継続性の確保

「役員の権限の整備」

本法人における役員の権限は最終決裁権限者である理事長に集中したものになっており、比較的軽微な案件の処理に対するスピード感を欠くものとなっている。役員の権限を再考することにより、合理性とスピードのバランスをとった意思決定ができるように整備を進める。

「危機管理体制の整備」

震災や新型コロナウイルスの発症など、予期せぬ事態により、一瞬にして事業の継続が困難になりかねない事例が続いている。大きなリスクに対しどのように備え、如何に事業の継続を担保するか、今中期計画において危機管理体制を再整備する。

2.財務マネジメント

・健全な財政構造の維持

「健全な財政構造維持のための財政計画の実行」

赤羽台キャンパスの開発や朝霞キャンパスの再開発以降を見据え、事業活動収支差額において持続的に5%程度のプラスを確保する計画の実行とあわせ、減価償却費相当分の確実な減価償却引当特定資産への組み入れを行う。

・確実な資金運用

「確実な資金運用」

2018 年度に資金運用方針を変更して従来の運用をリセットし、2019 年度よりポートフォリオを構築して運用を開始した長期資金運用(5~10 年程度)と、一部ファンドの運用を開始している超長期資金運用(10 年以上)状況の検証を行い、資産配分及びファンドの見直しを行う。

・寄付募集の促進

「「応援したい」と思っていただける募金活動の展開」

現時点で事業収入の8 割が学納金収入となっている本法人において財政の健全性を維持するためには、新たな収入源の確保が必須である。法人全体のグローバル化やスポーツの強化等によりブランド力が高まってきている状況は寄付募集の促進の格好の時機であり、今中期計画期間で態勢を整備する。

3.人事マネジメント

・グローバル化への対応

「教職員のグローバルマインドの醸成」

スーパーグローバル大学創成支援事業の採択期間終了後においてもグローバル化を牽引する大学となるため、教職員のグローバルマインドの醸成を一層推進する。具体的には語学力の強化にとどまらず、異文化理解や海外大学の視察など、より実践的な研鑽を推進する。

・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

「多様な人材を活用した研究力・教育力・社会貢献力の強化」

本学の研究力・教育力・社会貢献力の強化においては、他大学や公的研究機関及び民間企業等との連携が必要である。具体的には研究者等がそれぞれの機関における役割に応じて研究・開発及び教育に従事することを可能にするクロスアポイントメント制度を導入する。

・働き方改革の推進

「ワークライフバランスの実現」

高齢者雇用安定法の改正に対応し、少子高齢化に伴う労働力不足に対応するため、高齢者の労働力活用を促進する。具体的には職員の定年年齢を65 歳に引き上げるための環境を整備する。また、働き方改革関連法に基づく法令遵守の観点から就業規則等において未整備となっているものについて検討を進め、ワークライフバランスの充実を図る。

・安全で快適な就労環境の実現

「ハラスメントの防止」

年々増加の傾向にあるハラスメント事案を抑止するため、現在の「ハラスメントの防止等に関する規程」を改正し、ハラスメントに起因する懲戒案件事例等の学内公表を行う他、教職員向け研修会の内容の見直し等を行い、ハラスメントの防止を推進する。

・教職員の高度化

「専任職員育成システムの改善」

「理想のリーダー像に必要な資質」を身に付けることを目的として、新卒の1 年目から10 年目、さらに役職別に整備してきた従来の職員研修プログラムのうち、今後大学職員として求められる能力を検証した上で、職場の中心となる管理職の研修や中堅職員層の研修プログラムを改善する。

4.ファシリティマネジメント

・施設の長寿命化と予防保全

「施設設備整備計画(中期5 カ年計画)の実施」

大きな投資を伴う事業計画を戦略的かつ計画的、効果的に実行するためには、経常的な中規模修繕等の施設設備の整備を計画的に実施することが必要である。今中期計画期間における具体的な「施設設備整備計画」を立てて施設設備の長寿命化と予防保全に努め、毎年見直しながら各年度の事業として予算に組み入れていく。

・地球環境の保全

「温室効果ガス対策」

法人所有施設の有効活用と温室効果ガスの排出削減の両立は簡単ではないが、本法人では両者のバランスを取りながら、地球環境の保全に努めていく。「省エネ」、「脱炭素エネルギーの利用拡大」を国や自治体の取り組みを踏まえて推進し、目標値を設定して温室効果ガスの発生量を削減する。

・施設管理の高度化

「施設管理の高度化(品質、安全と環境、コスト)」

施設設備を計画的に高度に管理するため、施設管理業務の仕様を明確にし、仕様に見合った適切な価格で安全と環境に配慮した管理業務を委託する。


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