など)が盛んに講究されていて、一国の独立にはその国固有の学問の発達が不可欠である仏教、哲学・歴史・文学)を講究する大学で、日本の学問を基本とし、これをたすけるのに西こと。第二は、西洋の諸国ではその国の学問・芸術を研究するほかに、東洋学の研究も盛んにおこなわれていて、日本でそれらの学問を興す必要があること。第三は、欧米各国の指導者の教育法は、日本のように学力のみに重点がおかれているのではなく、例えばイギリスなどのジェントルマンのように、人間の人物・人品・人徳もあわせて養成していて、日本の教育に欠けているこの点を改良すべきであること。円了はこの見解を発展させて、八月に「哲学館将来の目的」を発表した。そのなかで、哲学館を将来において大学へと発展させる、つぎのような計画を明らかにした。哲学館が目指した大学を「日本主義の大学」という。それらは日本固有の学(神道・儒教・洋諸学を用いて、「日本国の独立、日本人の独立、日本学の独立」を目的とする。この目的をめざして、哲学館の教育は、日本独立の精神的基礎を形成する「日本主義」と、あまねく宇宙の真理または哲理を研究する「宇宙主義」をあわせて教育の基本とす36
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