化・情報化などの日本の社会の進展は、新たな人材の養成を必要としていたが、東洋大学が学部を新設したのは三〇年ぶりのことであった。新学部は、「一〇〇年、二〇〇年後の東洋大学の永遠の発展を目指して」という、新しい東洋大学の基礎になるものでなければならなかった。こうした構想から、一九九七(平成九)年四月、群馬県板倉町に「板倉キャンパス」が新設され、国際地域学部と生命科学部という二つの学部が誕生した。複雑な現代の世界と社会を解明するために、それをになう新たな人材を養成する「国際地域学部」は、経済・地域開発・産業振興・環境の四分野を総合的・実践的に教育する、日本ではじめての学部である。もう一つは、バイオ・テクノロジーを中心とする最先端科学を追求する「生命科学部」で、微生物から人間にいたるまでのすべての生命現象を分子レベルで解明する学部である。「板倉キャンパス」は、群馬・埼玉・茨城の三県に接する渡良瀬川沿いの地域にあり、将来的に人口が増加し、「学園都市」としての発展が予想される北関東の開発拠点に位置する。このような新学部の設置とともに、同年四月には未来のテクノロジーへの挑戦が進めら第八章 大学改革への出発281
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