ショートヒストリー東洋大学
276/326

「伝統の堅持と歴史の創造」とは校友会関係者にお願いした。後日、大学の代表者が塩川に就任依頼をして、前文部大臣である塩川新理事長は誕生した。大学内はもちろん、全国の大学関係者は驚いたと言われている。塩川新理事長は、新旧理事長交代式で就任の経過をこう述べた。実は私、理事長に就任の要請がありましたときに、はじめは冗談でおっしゃっているのだろうぐらいにしか思っていなかったのでございます。と申しますのは、東洋大学と私とは、今まで全く関係がありませんでした。けれども本学が一〇〇周年を迎えましたちょうどそのとき、たまたま文部大臣をやっておりまして、その式典にご招待をいただきました。そこで式典に参上するまでに一応創立者井上円了先生のお考えというものは何であろうかということを勉強させていただきました。それは新書本の薄い一冊でございましたが、今考えますと、私と東洋大学は精神的にはこの新書本でつながっていたのだろうと思うのでございます。……井上先生の思想を継承、発展させて274 

元のページ  ../index.html#276

このブックを見る