ショートヒストリー東洋大学
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文学・経済・社会の各学部教授会がこれに反対する「声明」を決議し、沈静化しつつあった学生運動を再燃させた。七月に入り、学生側はストライキと校舎の封鎖をおこなった。八月になると、機動隊を配備してその封鎖を解除した大学側に対し、学生側は校舎を再封鎖・占拠して、施設と器物を破壊した。そして、火炎ビンや石などの危険物が学内に運び込まれ、大型コンピューターのあった電子計算機センターが破壊されそうになった。結局、大学側は機動隊の出動を要請し、強制排除に踏み切った(学生九名が検挙された)。そして、学内破損の整備のため、ロックアウト態勢が取られるようになった。九月には前期試験が予定されていたが、武装学生が試験本部、教室などに乱入して、答案を奪うという事件が再三にわたって発生した。武装学生は校舎の封鎖をねらい、これを防ごうとする大学側のロックアウトが繰り返された。また、暴行・監禁・器物破壊などの事件がしばしば発生した。そうしたなかで、左翼系学生の内部対立が深まり、学内を場とするいわゆる「内ゲバ」の乱闘が展開されるなど、紛争はいつ終わるとも知れない状態であった。250   

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