ショートヒストリー東洋大学
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になった。六月に入り、大学側と学生側は説明会の方式をめぐって対立した。大学側は学生の代表者による方式を、学生側は大衆会見の方式を求めた。当日、学生側は約五〇〇名が参加して抗議集会を開いたため、大学側は予定していた説明会を中止した。学生側は、「図書館建設にあたって大衆会見を即時もつこと」などの四項目の回答を大学側に要求したが、大学側は大衆会見が「集団の力によって自己の主張を一方的に通そうとするものである」として、学生側の要求を拒否した。六月二七日、大学側のこのような回答に対して、学生側は抗議の意志表明の手段として座り込みをおこなった。約二〇〇名の学生たちは秘書課に移動し、「理事長は大衆会見に応ぜよ」「夏季休暇中の図書館着工を阻止せよ」をスローガンに、座り込みを継続した。大学側は、学長などが説得にあたったが、学生たちは理事長との直接交渉を要求し、長時間の座り込みによって監禁状態にあった理事長は、夜半に持病の発作のために倒れる事態となり、大学側は救急車の出動を要請した。しかし、学生側は救急車の入構を阻止した。二八日午前一時過ぎ、理事長は収拾のため242     

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