ショートヒストリー東洋大学
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そして、七月下旬の学部教授会において、この移行問題の原案が説明された。すでに夏休み期間中に入っていたが、教授会では移行の具体的な事項を検討する、教養課程(一部)川越移行準備委員会の規程案の審議と委員の選出をおこなうことになった。八月二七日、矢野禾か積づ学長の主催で、理事会・教学・事務の役職者による川越移行問題懇談会が開かれ、主旨説明、質疑応答、意見交換などがおこなわれた。理事会側は校舎などの増設工事の必要性から、教授会での審議のスピード・アップを求めた。これに対して、教員側からはこの移行が将来の二年次までを含むものか、移行には教授会での十分な検討が必要ではないかという基本的な見解、さらに、具体的な交通機関の問題、教養課程の多数を占める語学教員の確保と措置の必要性などについての意見が出された。このようにして懇談会は、理事会と教授会との一層のコミュニケーションの必要性を認識する形で終了した。しかし、その翌日に、教職員組合執行部は、教養課程川越移行について「当局は、教員、職員、学生の各層の意見を広く聴くことをせず、また教授会等の教学事項の審議機関に事前に何らの検討も要請することなく、夏季休暇中を選んで一方的に結論を出し、着々232   み 

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