ショートヒストリー東洋大学
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開館式このように、哲学館開設の趣意書を発表して生徒募集が開始された。その反響は関係者の予想を超えたものであった。当初の計画は、仮教場を設け、初年度の定員を五〇名としていた。ところが、九月七日の『東京日日新聞』によれば、前月の中ごろから定員がすでに満員になって入学謝絶の対応をしてきたが、いったん一五名に限って入学を許可したという。その後も入学希望者があとを絶たず、定員八〇名の第二教場を新たに設けることにしたが、やがてこれも満員となり、その欠員募集で対応しなければならないほどだったと、書かれている。一八八七(明治二〇)年九月一六日、午後一時から本郷区龍岡町(現在の文京区湯島)の麟祥院において、哲学館の仮開館式は挙行された。この日、哲学館は誕生した。仮開館式と呼んだのは、まだ独立した校舎をもたず、寺の一室を借りて出発したためであった。当日、生徒約一三〇名、来賓として元老院議官・加藤弘之、宮中顧問官・西村茂樹、帝第一章 哲学館の創立21    

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