ショートヒストリー東洋大学
228/326

学生自治会学部代表者会議が中心となって約一〇〇名の学生を集めて、すし詰め試験に対する抗議集会を開催した。この集会では、大講堂での授業の中止、非常識な学生増員の停止、試験を混乱に陥らせた事務責任者の辞任などの六項目が決議され、決議文は学生部長などの大学関係者に手渡された。このような抗議集会は公開理事者会見の形で続けられたので、大学側は試験の「混乱に対し深くお詫びし、その責任と原因を追及し、今後このような事のないよう改善する」という理事長名による「確約書」を、学生自治会学部代表者会議に提出した。大学側は、「マスプロ教育」の問題点について十分な認識をもってはいたが、大学経営上それを一挙に解決することは困難であるとし、結果的に学生のおかれた状況に大きな改善はみられなかった。ふたたび一九六五年九月の試験でも、約一〇〇名の学生が教室に入れず、また答案用紙も一七〇枚が不足するという事態が起こった。学生側は抗議集会を開き、「大学は受験者が安全に試験を受けられるように対処せよ」「非常識な学生増員をやめよ」「授業料値上げ絶対反対」「マスプロ教育絶対反対」などの決議をおこない続けた。226   

元のページ  ../index.html#228

このブックを見る