洋大学新聞』はこう書いている。昭和三八年の講義がはじまって約一か月になる。この一か月間、白山四学部と短期大学部は、さしずめ電車のラッシュアワーのような混乱状態が各教室でおこっている。上級生諸君は、このすし詰め教室の現象は今年にはじまったことではないことを知っているだろう。ところが今年のそれは特にそのひどさを増したのである。昨年、一昨年のすし詰め教室の状態は大部分が一般教養科目であった。しかし、今年のそれは、語学の講義にまであらわれている。そして、一般教養科目にいたっては千数百人を一堂に集めておこなう。だから、大講堂や中講堂でさえも全員が座りきれず、うしろに立って受講する学生が、座っている学生とほぼ同じくらいいることさえある。それにもまして教室のなかへ入れればまだよい方で、教室にさえ入れきれない学生が廊下にたむろしている状態である。彼らはしばらく廊下にいるが、やがてあきらめきったように、指をならしてその場をさってゆく。つまり、座席の倍の数が受講しているのである。このような「すし詰め教室」と「マスプロ教育」の状況に対して、学生側は自治会を中224
元のページ ../index.html#226