運営上の問題教学専攻、国文学専攻、社会学専攻)と、中国哲学専攻の修士課程が設置され、四月には経済学獅子吼会側理事からこの借用証書の案を見せられた大塚は、「こんなものを大学からもらうために金を出したのではない。そんなちっぽけな気持ちで大学が救えるか、もっとわたしの心をくみ取ってほしい」と、獅子吼会理事を激しく叱責したと言われている。その後、大塚が関知しない形で、この証書は作成された。一九四九年から、大学は大学側と獅子吼会との両者で運営され、総合大学への道を歩みはじめたが、一九五四年に一つの事件が発生した。この年には三月に大学院博士課程(仏部一部に経営学科が増設された。そして、新たに大学院校舎が建設されて八月に完成した。事件はこの一九五四(昭和二九)年三月に起こった。大塚日現の娘婿で理事長である大塚又七の、個人用自動車の購入などへの公金不正流用である。この問題を聞いた大塚日現は、大学側に「このたびは又七(大塚)が大変不正なことを仕でかし、大学側にご迷惑を第六章 廃墟から総合大学へ187
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