井上円了100の金言
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人間の心全体が、妖怪の幻灯機のようなものですから、少しだけ心にあかりを灯しても、ただちに色々の妖怪が現れてきます。ゆえに、世の中の多くの現象は、おおよそすべてが妖怪の現象といってもよいでしょう。※チベットの古い諺に、「人は、精神という荒馬を乗りこなすために生まれてきた」とある。すなわち、精神は借りもので、乗り手の意志(意識)だけが私のものであるということである。ただちにいろいろの妖怪があらわれてきます。ゆえに、社会万ばん般ぱんの現象は大抵みな妖怪の現象と申しても差し支えありますまい。現代語で言うと【「おばけの正体」・第一三〇項】 90

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