が肉体だけの物質(客体)に物理法則を当てはめていくことができるようになり、近代科学が誕生したのである。この論点から察すると、近代科学は、肉体から遊離した魂や霊魂の存在を容認していることになる。人間をどんどん切り刻んでいくと原子だけになり、肉体は不滅であることが分かる。しかし、原子レベルでは精神の入り込む余地はないはずである。すると肉体には霊魂が宿っていないことになる。よって、デカルトの二元論では、魂は単独で存在し、肉体には宿っていないとした方がつじつまが合うことになる。そうすると、単独の魂の存在を否定し、肉体に宿っているとするには、一元論を適用するしかないのではなかろうか。日にち月げつ星せい辰しん、山さん川せん草そう木もくことごとく真怪なりといいて答えておる。狐こり狸、天狗、幽霊などは妖怪とするに足たらぬものである。余は人の真怪の有無を問わるるに対しかかる大だい怪かいに比すれば【「迷信解」・第一四段】 8680│ 自然はすべて妖怪
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