井上円了100の金言
85/116

世間一般の妖怪は、一方では、物理学で説明でき、もう一方では、心理的精神作用から生まれるもので、妖怪研究の結果、帰着点がどのあたりにあるかというと、結局は、人間の精神の不思議な作用のみということではなかろうか。※『妖怪学』「妖怪学は狭くこれを言えば心理学の応用学にして、広くこれを言えば百科諸学の応用学なり、しかして予が講述する所も心理学を牙き城じょうとし、理学を前門とし、純正哲学を後門とし、以てその説明を試みんと欲するなり」一面は物理の上より説明せられ一面は心理的精神作用に帰するものにして研究の結果、帰着点は奈な辺へんにあるかといえばついに吾人の精神の妙にょう用ようなることを感ずるのみ。現代語で言うと【「妖怪学講義録」・明治三一年】 83

元のページ  ../index.html#85

このブックを見る