今の宗教家も教育者も共に、迷雲妄霧の中にさまよい、まだ帰宿する所を見つけられていない。そうして、うまくこの雲霧を一掃できるものは、妖怪学の研究にほかならない。※『妖怪学』「まず神秘的なもの、或いは天変地異の現象は、近代科学が発達すれば、殆どが解決されるであろうと言っている。近代科学を信じ森羅万象は合理的世界の中で分析されるものという前提がある。それらは理学、医学の領域で説明されるし、また、哲学の部門でも、陰陽五行説とか、易、おみくじ、人相及び家相、厄年などは、分析すれば必ず説明がつくものであるという。心理学においては、コックリさんや狐つき、幻覚症状、催眠術などが分かる。また、幽霊や人魂、御祈祷、御守などは、宗教学の分野で分析が出来るものだと述べている」現代語で言うと81
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