※「理想の水」とは何であろうか。空海(七七四―八三五)は、「加持」という言葉を※泉が、自らの力が満ち溢れることによって、おのずと湧き出るように、人の溢れる力使って、仏の慈悲と人々の信心との一致を表現している。太陽の光のような慈悲が人々の心底の水に映るのが「加」で、人々の心の水が太陽の光を感じ取ることを「持」と表している。これが、仏と人間の行為が一体となるために必要な「水」であろう。から「理想の水」が心の中に流れ出て、自然(神)から流出した能力や完全性と結びつくのである。それは、太陽の光が、太陽から遠ざかるにつれてその明るさが減るように、神から流出した能力も遠ざかると失われていく。習慣によりて意識は無意識に変じ有意作用は無意作用に変じ最初困難を感じたることは平易に変ずるものなり。みな反復積習によりてその進歩を見るなり。4541│ 無意識を鍛える
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