井上円了100の金言
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ん 「金言」とは、辞書によると、「いましめとなるとうといことば。格言」とある。また、「いましめ」とは、「前もって注意すること」とある。明治時代を駆け抜けた東洋大学創立者の井上円え了り(一八五八―一九一九)は、一三〇冊以上の著作、五〇〇〇回以上の講演会をおこなっており、現在の若者への戒めとなる貴い言葉を多く残していることは明らかである。それを考えると、いままで、円了の名言と題した書物が出版されていないことは不思議に思う。さて井上円了哲学センターは、円了の建学の精神、教育理念、思想及び事跡の研究、ならびに、東洋大学史等に関する研究を推進し、哲学館以来の東洋大学の特性を内外に示し、その歴史と伝統を継承し発展させて、世界文化の発展に寄与することを目的とし、さまざまな研究と事業を展開している。その一環で、円了没後一〇〇周年記念として、井上円了の金言を厳選し、発表することになった。そこで最初に、センター員に呼びかけ、言葉を集めることにした。その結果、一六〇の言葉が集まり、そこから一〇〇語を厳選すると同時に、出典を明確にすることと、同類のものを分類する作業をおこなった。まず、分類は「哲学」「哲学者」「ものの見方」「生き方」「社会」「天」「妖怪」「日本」の八章にした。円了が駆け抜けた六一年、その時代背景や世界の中の日本の位置づけをもとに、円了がどのような将ょうはじめに

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