かりにも学者として社会に出て、人々を教え導くのであれば、自己満足で終わってはいけない、不幸な境遇にある人を、精神的に助ける方法を考えなければ、学者の本分を全うすることはできない。※御雇外国人・ヘンリー・ダイアー(一八四八―一九一八)は、工部大学校生に対して「エンジニアは真の革命家であり、市民として同胞の精神的福祉を向上させる人となれ」と激を飛ばした。現代語で言うと独断の極みは懐疑となり懐疑の極みは独断となると知るべし。【「妖怪学講義」・総論】 2118│ 疑い過ぎるのもよくない
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