井上円了100の金言
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一般的に宗教家は独断に陥り、哲学者は批判するだけになり、ともに中正の立場を失っていることは明らかである。※「中正」とは、優柔不断でおだやかなように感じるが、そうではなく非常に行動的・創造的であり、対立するもののなかにも共有するところを探し、無限に矛盾を統一していくことで、進歩向上していく動きである。いやしくも世間に立ちて自ら世の風教を任ずる学者は己の満足をもって足れりとせず、かかる悲境に呻しん吟ぎんせる人を精神上より救助する道を構じなければ学者の本分は立つまいと考えます。【「霊魂不滅論」・第二六回】 2017│ 学者の本分は人を助けること

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