二〇二二年度「井上円了が志したものとは」入賞作品集
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いう気持ちを貫き、日々を築いていきたい。そして、円了先生のように自分の信念を強く持ち、目標を達成し続ける人生を送りたい。また、私は円了先生の決して諦めない探究心の強さにも感銘を受けた。誰にでも平等に哲学を学んでほしいという理念により哲学館を創立した円了先生は、それに留まることなく、目標であった地球一周を達成するために三回にわたる世界旅行を実施した。その目標とは、西洋先進国の知見、知識を学び日本の教育に広く活かすことであった。三回にわたり世界を巡った円了先生は、『実際に現地で体感することが大切だ。』と述べている。文書を見ただけでは得られない確かな学び、人との交流の中でこそ生まれる新たな発想が現地に足を運ぶことで得られるのだ。世界一周を経て円了先生は哲学館の将来構想をまとめ改良を進めた。新たな経験や学びを重ね、挑み続けようとするその姿は、私たちが目指すべき姿だ。そのほかにも円了先生は、さまざまな事に挑戦した。全国各地で講演をし寄付を集めたり、社会教育活動に専念したりと多様な事を成し遂げている。さらには、一人で全国巡回講演をし、哲学堂を建設したりなど、生涯学習の普及に取り組んだのである。円了先生は、挑戦することを生涯続け、諦めることをしなかった。諦めなかったからこそ、多忙な中でも、困難な目標をも実現することが出来たのだ。大きな目標、人生の目標を達成する。これは誰しもが出来ることではない。自分の信念を貫き生涯を送ること――『自分の運命は自分で拓け』――これは皆に共通する生涯の目標だと円了先生から学んだ。円了先生に出会えたことが私の運命を左右した。私は円了先生のように挑戦し続ける生涯を送りたい、これが私の人生の目標だ。─ 69 ─

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