二〇二二年度「井上円了が志したものとは」入賞作品集
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 東洋大学京北高等学校の部講評校長 星野 純一郎私たちの学校の前身は、円了先生が一八九九年二月に設立された京北尋常中学校に、端を発します。実に一二四年の歴史が有る学校です。二〇二二年度「井上円了が志したものとは」事業実施要項によれば、「この事業は、創立者井上円了の大いなる志とは何かを探求し、これを現在の自分自身と照らし合わせて考察することを通じて、創立者の建学の理念及び東洋大学への理解と関心を高めることを目的とする。」と有ります。そこで、「『チャレンジャー井上円了』を読み、その内容に対する自分自身の思い、考え、感想等を文章にまとめ表現する。」事をテーマに募集した処、第一学年二九四名の応募が有りました。入賞作品集発行にあたり、京北高等学校の部選考委員会で決定された入賞者への講評を、以下に書かせて頂きます。東洋大学長賞の平田理笑さんは、まるで人間の情緒を表しているような哲学堂公園を歩き、知らない事を知る事で驚きや喜びを重ね、自分の未来を想像できるようになると考えられたようです。優秀賞の山口涼太郎さんは円了の強みが不屈の精神を持つチャレンジャーだと考え、自らも「自分で考え、判断して、チャレンジを実行する」事を意識して行きたいと考えられたようです。優秀賞の大塚結真さんは、円了から「自分の哲学を貫き通す事」を学び、AIに出来ない自分なりの哲学を持って世間の「良い」では無く自分が考える「良い」生き方をして行きたいとしています。優秀賞の木曽寛汰さんは、円了が志した大学創設で伝えたかった事は「自分で考え、判断して、チャレンジを実行する。」という主体性だとしています。優秀賞の才木美歩さんは、コロナ禍では主体性が強く求められており、円了が志したものはチャレンジ精神で今の私たちに、「好奇心だけは自粛するな。」と言ってくれているとしています。入賞された以外の作品も、今までにも増して深く読み込んでいて、円了先生と自分を重ね合わせた作品が数多く─ 65 ─

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