で人を見てしまうのだ。私も噂話を聞き、偏見で人を判断したことがあったが、話してみたら違ったという体験をしたことがある。したがって、何が正しいかを見抜く力を育てること、自分の言葉で偏見をうまないことに気をつけなければ、日本の進歩だけでなく自分の進歩もないと考える。もう一つは、「勤め励む者と怠ける者と両方同じ人間だ。万民は同等であり、等しく権利を持っている」という言葉だ。例えば、受験の時に実力テスト・面接テストをする際、男女の差・容姿・親の学歴で採点基準が変わるのは、とても残念なことだ。特に、教育に対する不平等・貧困に対する不平等・宗教に対する不平等は、本人には解決できないことだ。学ぶ気持ちのある人には、学ぶことのできる環境を与えられる世の中になると日本の未来も、明るいのではないか。自分は恵まれた環境で勉学できる。それに甘んじず、しっかりと勉学に励まねばならない。哲学を理解するうえで、「哲学堂公園」を歩いた。哲学堂とは、井上円了によって精神修養の場として作られ、四聖堂、哲理学、六賢台、三学亭の建物と池や桜並木、野球場やテニスコートと賑やかな公園だ。西洋の身体を養う公園と、心を養う教会で休日を過ごすことができそうだ。桜並木の穏やかさと、足場の悪い坂道、趣のある「四聖堂」、落ちつきのある「哲学の庭」。静かな道や賑やかな道、暖かい道やうす寒い道、まるで人間の情緒を表しているようだ。哲学堂公園が「人の心」のようで、哲学とは心が大切なのだと実感する体験だった。「哲学」とは、自分の知らないことを様々な角度から調べ、自分で考えて答えを出すことだと知った。「知らないことを知ることにする」、その「知らないこと」に気付くことから哲学は始まるのだ。調べるには、人に聞くという方法もあるだろう。分からないことを表現することもあるだろう。それらをできるようになることが成長することなのだ。人の心と自分の心を大切にし、偏見を持たず追求することが重要だ。しかし、「哲学」を理解しても私の将来の答えは出ない。けれども、「知らないことを知る」ことで驚きや喜びを重ねて行くことで、自分の未来を想像できるよう─ 55 ─
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