東洋大学附属牛久高等学校の部講評校長 藤田 正美今、本校では、チャレンジャーであった円了先生の姿勢を踏まえ、「知的好奇心と高い志をもち、自ら考え、自ら行動する意欲溢れる生徒の育成」に努めています。学長賞の田山ひかりさんは、円了先生が、日本のみならず世界中を巡り、生きた情報を得て人生を切り拓いたように、自分も知りたいと思う気持ちを持ち続け、自分の運命は自分で拓く思いを忘れず、未来に向かって自分で考え、判断して、チャレンジを続けていきたいと決意を表明しています。優秀賞四名の内、飯塚由希さんは、円了先生が妖怪という得体の知れないものの研究を通して、人々を迷信から解放しようとしたように、私たちの周りに存在する説明がつかない「妖怪」に対して、冷静に情報を取捨選択して、自らの頭で考えて正しい道を進んで行く必要があると述べています。石塚理心さんは、志の為に当時の常識的な考えに囚われず、世間からの非難をも乗り越えてきた円了先生の生き方に感銘を受け、自分も熱意と信念を持って取り組めるテーマを探し、深く勉強していきたいとしています。菊田陽香さんは、円了先生の、一度立てた目標を達成するために、挫折や困難があってもそれを乗り越えていくチャレンジ精神に学び、生涯を通じて考えを深め、学びを広げていく努力を続け、目標を達成できる人になりたいと結んでいます。末次智瑛さんは、自分の考えを持ち、それを信じて貫き通すことや偏見や先入観に惑わされず、物事を多面的に見る力の大切さと初志貫徹の姿勢の大事さを円了先生の生き方から学び、自分もこれから多くのことを積極的に学んで、自分なりの考え方を確立していきたいとしています。定めた目標に向かって、世間の目を恐れず、困難に出合っても決して諦めずに信念を持って突き進んでゆくチャレンジャーとしての円了先生の生き方に生徒達は感銘を受け、自分も目標達成のために努力していく決意を述べています。円了先生の生きざまが、百年を経てなお生徒達の心を突き動かしていることに感銘を覚えました。─ 53 ─
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