東洋大学長賞東洋大学附属牛久高等学校の部田山ひかり『知りたいと思う気持ちを持ち続けるために』東チャレンジャー、哲学者、僧侶、教育者、先生、学長、哲学館創立者、妖怪博士、化物先生、勉強家、読書家、旅人…。この本を読んで私がまず印象に残ったことは、井上円了先生はたくさんの顔を持っていたんだなということだ。六一年の生涯で、たくさんの書物、学問、人との出会いによって得たものであり、円了先生が残した言葉の通り、自分の運命を自分で切り拓いたから得られたものなのだと思う。円了先生が生きた明治時代は、外国から色々なものが伝わり、様々な分野で元々あった技術や文化と融合し、新しいものが創り出され現代へとつながった、現代の日本の原点になった時代だ。そんな激動な時代でも、信念を変えることなく進んでいく円了先生は、一〇〇年も前とは思えないような現代につながる考えを持ち、現代の私達にはできないような行動力で、たくさんの活きた情報・体験を得て自分の知識にして、学校を創設したり、自分の得たものをたくさんの人々に伝えてくれた。『諸学の基礎は哲学にあり』入学してから何度も聞いたり目にしたことのある、東洋大学の建学の精神だ。哲学は難しそうな学問だなと思っていたが、この本を読んでみると、哲学とは「知りたい気持ちを持つこと」であり、「どんな学問で洋大学附属牛久高等学校一年S組─ 43 ─
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