進する。』というターゲットの達成につながっていくと考えました。井上円了先生の幼少期からの性格や行動力を知って、先生は常に「知りたい」という気持ちを心の中で持ち続けていたのではないかと感じました。西洋先進諸国の知見や知識を学ぶための視察外遊が盛んにおこなわれていた時期にアメリカやロンドン、スコットランド、パリなど文化や習慣などすべての面において日本と異なる数多くの外国を周り、一年余りの世界旅行をされました。そんな簡単に海外を旅してまわることが難しかった時代に世界を自分の目で見てまわることができたのは、やはり、本当に西洋を「知りたい」という気持ちがあったからだと考えます。井上円了先生は数々の講演の中で聴衆が学問や人間関係など様々なことがらは、「知りたい」という気持ちから始まるということに気づき、哲学を学び、ものごとの多様な見方を知ることによって、新しい自分に生まれ変わることができる人々を育成し、今までとは一味違う世界を創ることを志していたのではないかと考えます。 ─ 41 ─
元のページ ../index.html#43