東洋大学史ブックレット14
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ます。この予測は、日本の各大学にとっては今まで以上に厳しい経営環境の到来を意味しています。既に述べてきたように、二〇世紀後半より、本学は、量的、規模的な拡大路線を走ってきました。一八歳人口の著しい減少はこのような本大学の拡大路線にとっては極めて重大な影響をもたらす可能性があります。近年の進学率の向上以上に、一八歳人口の減少は急速に進展しています。とするならば、本学の拡大路線は、いずれ方向転換を余儀なくされるでしょう。マンモスはその体が大きかったがゆえに、氷河期には自らの体を維持するための食糧確保がままならず、早々に死に絶えたと言われています。大規模大学にとっては、大量の受験生や学生数の確保は、その体力の根源となる財政的基盤を維持するために不可欠ですが、その確保は今後極めて困難となることも予想されます。本学はじめ、大規模大学はこのマンモス絶滅の比喩から今後の大学運営について何らかの教訓を学び取ることもあるいは必要でしょう。今後における大 八 東洋大学創立一二五周年を迎えて 63

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