東洋大学史ブックレット13
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戦前の東洋大学は「哲学」を中心とする文系の単科大学で、学生数も少なく財政基盤が脆弱であり、学長と複数の出身財団役員により運営されたため、ときに紛争にみまわれました。戦後の東洋大学は日本の経済成長がなしとげられるなかで、理工系学部の設置にとりくみ、総合大学への道をあゆみだしました。やがて白山校地に文系の五学部を、川越校地に理工系の工学部を開設することにより、学生数が激増して財政基盤も強化されました。かつての学長と出身者を中心とする大学運営から、理事長・学長を中心とする法人と教学が補完しあう大学運営へと変貌をとげました。なお一〇年間におよぶ本学の大学紛争のなかでは、ときに相互の意見対立を露呈して役職者の交替をくりかえしましたが、次第に再編強化されることにより、経営面のみならず教学面の改革がすすみました。二〇世紀末(平成一二年時)の東洋大学は、なお新たな飛躍と発展をめざし、二一世紀を迎えようとしていたのです。 おわりに 43

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