東洋大学史ブックレット12
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(住職が多く教職をかねる)を養成することであり、それにより本学で学び育った多くの教争に協力する役割をになったこと。哲学館創立以来の教育目標が、教育者と宗教者員と住職が、はからずもときに教え子を戦場へ送りだす役割をになうことになりました。創立者井上円了と歴代の学長および卒業生がおこなった教育は、自らがめざしたところと必ずしも一致するものでなく、むしろ時代の要請に呼応することになったことは否定できないでしょう。いずれにしてもこれらのことは、そのときどきの流れのなかで理解すべきものです。過去の歴史はそのつど「現在」に生きた人たちが作りだしたあゆみであり、自らも歴史を作りだしている一人であることをかさねながら考えてほしいと思います。東洋大学の歴史 ―戦前編― 42

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