卒業生の文芸活動 【 くん募金をよびかけ昇格運動を本格化させました。その運動の主要な課題は、昇格のために国庫へ納める供託た金き〔財団法人が大学を維持するために基本財産として、一大学につき五〇万円と一学部ごとに一〇万円を国庫に納める金〕を集めることです。しかしながら東洋大学は、宗門・宗派に財政の支援をうける宗教系の大学でなく、また政財界から財政の支援をうける大学とも異なり、ほとんどを学生の納付金と個人の献金にたよる状況であり、募金活動は困難をきわめました。業生(出身者)等による文芸活動が盛んとなり、それぞれ「会」〔サークル〕をもうけて機関誌や同人誌を発行しており、その一部をとりあげ紹介してみましょう。まず七年四月に東洋大学文芸研究会が発足しました。当初の会員は二〇名ほどであり、会員の作品を発表する機関誌『思潮』を第五巻までだしています。また公開講演会や文芸夏季講習会などを開いて会員も増加していきました。このような流れをうけて、八年きよう】大正デモクラシーの風潮がたかまるなかで、東洋大学の卒東洋大学の歴史 ―戦前編―34
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