東洋大学史ブックレット12
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学とあらため、予科〔高等学校に相当〕・大学部〔学部に相当〕・専門部〔専門学校に相当〕・別科〔入学者の資格をきびしく問わない〕をおきます。大学部は一七歳以上で、中等学校を卒業した男子を無試験で入学させ、大学部と専門部の学生には、徴兵猶予の特典が認められていました。三六年七月に館主円了は帰国して、九月に『修身教会設立旨趣』(小冊子)を発表します。これは欧米におけるキリスト教の教会のような施設として、国民の知育と徳育を向上させるための修身教会を全国各地にもうけようとするものでした。三七年四月に創立者井上円了は、私立哲学館大学の初代学長に就任します。この四月に井上円了は、現・中野区松が丘に四し聖せい〔釈しや迦か・孔こう子し・ソクラテス・カント〕をまつる哲学堂を完成させました。私立哲学館大学が発足したころも、きびしい財政状況にありました。とくに哲学館事件により、中等教員無試験検定取扱の特典をとりけされたことが、在学生の減少に 三 専門学校令と東洋大学(明治三六年~大正七年)   21

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