東洋大学史ブックレット12
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(政治と宗教)を視察し、②哲学館の今後の教育方針を検討するためであり、この視察行して館外員に頒は布ぷしました。これは地方または自宅にいても学べる、現在の通信教育の始まりといえます。哲学館を創立して一年もたたない二一年六月に、館主円了は第一回目の海外視察にでかけます(~二二年六月)。一年間におよぶ海外視察の目的は、①欧米先進国の現状の報告は『欧米各国政教日記』(二二年八月)として刊行されました。海外視察から帰国した館主円了は、二二年七月に「哲学館改良ノ目的ニ関シテ意見」を発表します。一一月に麟祥院に仮住まいしていた哲学館は、本郷区蓬ほう莱らい町ちよう(現・文京区向丘)の本校舎へ移転しました。二三年七月に哲学館は、第一回得業生(卒業生)二四名を送りだしています。九月に館主円了は、哲学館を文系の私立大学へ昇格させるために、「哲学館ニ専門科ヲ設クル趣意」を発表し、哲学館に専門科を設置する基金を集めるため、一一月から全国巡講〔全国各地を講演しながら巡回する〕を始めます(~二六年二月)。二八  ん東洋大学の歴史 ―戦前編―12

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