笠りう 智ち衆しゅう(一九〇四~一九九三) 俳優ゅ 学(宗派の学門)であったのに対して、仏教の発達・展開を視野に入れた新しい学問でました。村上の学問は、江戸時代以来のいわゆる仏学を近代的な仏教学として構成したところにあり、『日本仏教史綱』(明治三一(一八九八)年)にみられるように、仏教の歴史的変遷を知ることで、日本仏教の特徴を明らかにするのです。それまでの仏教研究が、宗した。実は、明治中期には、仏教学だけではなく、国文学・支那学などの分野では、こうした歴史的展開の中から理解する方法が論じられ、文学史・哲学史に即した研究が行われるようになりました。村上の研究もそうした研究に影響されたものなのです。熊本県出身。生家は浄土真宗本願寺派の寺。大正一四(一九二五)年、上京して東洋29
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