五八)年)を編纂しました。これは後に一一巻の『日本昔話大成』(昭和五三~五五(一九七八~一九八〇)年)となり、現存する日本の昔話の完全な記録として残されたのです。これフィンランド学派などといい、口承文芸研究に一時代を画していたのです。関はこの方法を用いて日本の昔話の類型化を行い、『日本昔話集成』(昭和二五~三三(一九五〇~一九より前に、自らが影響を受けたアンティ・アールネ『昔話の比較研究』を訳出しています(昭和四四(一九六九)年)。アールネの分類は、昔話を、動物の話・笑い話・本格的説話の三つに分けたものなのですが、関もこれに従っています。これによって、日本の昔話のヨーロッパとの比較を可能にしたのです。戦前の日本の民俗学はドイツ流のフォルクスクンデと、イギリス流のフォークロアの二流に分かれますが、関はドイツ流に属し、文化人類学との交流も盛んでした。日本民俗学会会長、東洋大学社会学部教授を務めました。人物で見る東洋大学 22
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