東洋大学史ブックレット11
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久くぼ保 喬たかし(一九〇六~一九九八) 児童文学者た。昭和一九(一九四四)年に満州の新京に渡り農地開発公社の嘱託となります。ここで現地召集をうけて入隊しますがほどなく敗戦。長春で抑留生活を送ります。一年程して帰国しますがこの時の軍隊生活を描いたものが『大陸の細道』で、これは第一三回の芸術選奨に選ばれて文部大臣賞を得ました。これよりさき、昭和三十年頃にも直木賞の候補に挙がりました。芥川賞(純文学作品を対象)と直木賞(大衆文学作品を対象)という性格の異なる賞の候補者になるとは、少し珍しい出来事でありますが、これは木山の作風が戦前と戦後とで変わったということでありましょう。愛媛県出身。東洋大学専門部倫理学東洋文学科に入学するが後に中退。太宰治や檀一雄と出会い同人誌に参加します。太平洋戦争中から児童文学の執筆をはじめ、初期人物で見る東洋大学  14

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