本館の建設と広場この時期の東洋大学の建築を考える上で、最も注目すべきは、最初期に建設された、後に五号館と呼ばれることになる本館校舎の建設です。写真⑬の建物です。東洋大学の建築は、建築家としての立場から見る限り、押並べて工期が短く、それが建築まりました。その後、大学院でも施設拡充を要請され、昭 和二九年六月、三号館の後ろに、戦後初めての鉄筋コンクリート造校舎として大学院校舎、写真⑫の竣工に漕ぎ着けますが、財政状況はひっ迫の一途を辿っていました。詳述は避けますが、資金調達の過程は実に壮絶なものでした。写真⑫ 三 敗戦から高度成長期まで27
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