東洋大学史ブックレット10
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た転換の中で苦悩する設計者の姿を表している様に思われます。しかし、同時に、何処か凛とした清々しさを感じさせるデザインです。さて、最後に建設された講堂の竣工が昭和九年ですが、ここで、戦前の東洋大学の建築的な展開は終わりを告げます。昭和一〇年代に入ると、資材統制が始まり、日本近代の建築的展開は、昭和二〇年の敗戦まで止まってしまうからです。いやむしろ、破壊の時代に入ったと言った方が事実に近いでしょう。従って、写真⑩が、戦前の東洋大学と京北中学校の最終形ということになります。写真⑩建築史から見た東洋大学の変遷 22

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