東洋大学史ブックレット10
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い校舎は、南東側正面から見た姿が、一四スパン(柱間の数)という細長い建物でした。写真⑨を見る限り、この長辺中央を正面にしてデザインされています。講堂に比べるとこちらも遥かにあっさりした外観ではありますが、中央四スパンに縦リブが付されているのがその証です。リブの存在は、三棟とも様式的には統一されたデザインであったことを示しています。尤もとも、両翼は極めて質素で、全く同じ形式の開口部の連続です。わずかに、鋼製建具のガラス割りが繊細な意匠性を感じさせるばかりですが、個人的には、この質素な佇まいに好印象を持っています。もし、今、残っていたら全力で改修してみたいと思う様な可能性に満ちた建物だからです。恐らくは、その予算的な制約から結果としてこの様なデザインになった写真⑨建築史から見た東洋大学の変遷っ20

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