東洋大学史ブックレット10
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概説に留めて先に進みますが、時々思い出して考えるべき課題です。写真④の校舎手前に哲学館講堂と図書館閲覧室の建設予定地の立て札がありますが、このうち、講堂の写真は、白山通りからの遠景写真⑤におぼろげに見える程度で、近景は見いだせませんでした。講堂は、草創期の多様な人間模様を育んだ場所でした。ところで、この遠景写真は、敷地計画、或いは配置計画の点から、もう一つ大切な特徴を写しています。それは、手前の平地に京北中学校が、奥の丘に哲学館があるという配置上の構成と、哲学館が京北中学校の校庭をアプローチとして利用する導線計画になっている点です。円了は、こうした構成を積極的な意図を持って採用した 二 白山移転から敗戦まで写真⑤ 13

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