東洋大学史ブックレット9
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ラテス・近世哲学のカントを祀った哲学堂の中心施設となる「四聖堂」といった建築物から、唯物園のシンボリックな施設として「物」という字が芝草で形作られている「物字壇」といった花壇、鬼が良心を表した灯篭を抱いている「鬼灯」といった石像、崖地の暗い裂け目に進化の根本である物の造化の神秘性を投影した「神秘洞」といった地象や空間が、哲学堂公園の起伏に富んだ地形を巧みに活かしながら随所に配置されています。円了博士は、この七七場を訪れる順番についても一定の推奨ルートを提唱していますし、また、哲学堂公園の別の楽しみ方として「哲学堂八景」を紹介しています(このルート及び哲学堂八景については、「三哲学堂公園の利用の仕方」において詳述します)。5  一 哲学堂公園とは

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