の群)、晴嵐(朝靄に煙る松林)、帰帆(港に帰る漁船)、夕照(夕日に照らされた遠くの山)、秋月(水面に映る秋の月)、暮雪(夕暮れの雪景色)」)に基づいて選定されています。換言すれば、八景哲学堂八景:「静」の利用哲学堂には、知名度は低いようですが「哲学堂八景」という景色を楽しめる名所があります。八景とは、その土地の風光明美な状況を八つのポイントやシーンとして紹介しているものです。そもそもの八景の由来は、一一世紀の北宋時代に湖南省の洞庭湖に面した瀟湘(しょうそう)地方で、宋迪(そうてき)が選んだ「瀟湘八景」がはじまりです。これは、八つの主題(「夜雨(水辺の夜の雨)、晩鐘(山寺の晩鐘)、落雁(田に降り立った雁とは、地域を象徴する優れた景観を評価・選定するための手法のひとつである「見立て」であるといえるでしょう。わが国における八景の選定事例としては、室町時代に琵琶湖の南西方面において、近衛政家が瀟湘八景に倣って選んだ「近江八景」が著名です。また、江戸時代では、哲学のテーマパークとしての哲学堂公園 40
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