着想の源流を探るリで、高級品とされています)を食べたとも書いてあります。「アジ一匹の大御馳走」には、了博士の倹約ぶりを表しただけのことではなかったのかもしれません。ほぼその頃の時代のことですが、遅塚金太郎氏がその著書「山水供養」の中で、哲学堂を訪問した時の体験記を書いています。それによれば、七七場を巡った後、円了博士の接待を受け、「ビールが出て、日本酒が出て、筍ご飯が出て、さやえんどうを大根と牛肉の煮しめが出たことから、遠慮なく食べた」と記述されています。また、食後の茶うけに、雲州十六島海苔(十六島と書いて「うっぷるい」と読みます。島根半島西部出雲市の海岸で採れる岩ノ何かもっと深遠な「シャレ」があったのかもしれません。哲学堂は、円了博士の哲学世界を視覚的に理解できるように表現した哲学のテーマパークとでもいうべき空間です。「テーマパーク」といった発想自体、現代にあって 哲学のテーマパークとしての哲学堂公園11)30
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