東洋大学史ブックレット8
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度に亘る世界旅行で、北半球の様子は見知っていたのですが、南半球については未知であって、当時の講演の聴衆からもたびたび南半球についての質問があり、これに答える必要もあったのでしょう。また、円了にはこれからは、北半球の時代は終わりを迎え、南半球の新時代へ向かうという判断があったようです。円了が南半球で見聞きしたものは実に女子教育の状況にあるといって良いでしょう。たとえば、メルボルン大学では一〇一三人中女学生は一六一名、シドニー大学でまた、本書の第九三節以下は第三回の旅行の纏めであって、第九四節「前後三回の足跡」は、円了の三回の海外視察が纏めて報告されています。その内容を見ると、後半の南米の記述に新   鮮なものが見られます。円了はこれまでの二井上円了の世界旅行円了絵はがき38

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