東洋大学史ブックレット8
22/52

になったことは明らかです。それは井上円了が行った三度に亘る大旅行についても言えることです。特に最初の旅行はそのコースから見ても岩倉使節団の跡をたどるように巡航しています。井上円了の三度に渡る世界旅行については、それぞれについて三点の報告、乃な至しは旅行記が残されています。これら三点は緊密で、体系的な記述になってはいませんが、「なんでも見てみる」という精神で、異文化を理解し、吸収しようとする旺盛な好奇心が窺えます。確かにそれら三回の旅行はそれぞれ目的も違っていますが、その「先進諸国に学ぼう」という姿勢は共通しています。次には三回の旅行について、その時期、目的、旅行記の順に纏めておきます。・明治二一年(一八八八)六月九日~明治二二年(一八八九)六月二八日欧米を中心に宗教事情等を視察.〈約一年〉    い井上円了の世界旅行18

元のページ  ../index.html#22

このブックを見る