岩倉使節団の目的と使命新政府の外交の開始 不平等条約の改正 新政府の国政方針立案最初の新政府の外交の開始とは、いわば交渉相手国への挨拶回りであり、外交の儀礼に則ったものでした。明治新政府が外交交渉をするためには必要欠くべからざるものだったはずです。次の不平等条約の改正は明治政府にとって大きな課題でした。当時外国人には江戸時代に結んだ治外法権・最恵国待遇が認められ、日本には「関税の自主権」がありませんでした。したがって、その不平等条約の改正は新政府の最大の政治・外交問題だったのです。そして、その改正期限が明治五年(一八七二)にやって来るために、明 ② ① ③ 井上円了の世界旅行10
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