東洋大学史ブックレット8
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九〇)一〇月に教育勅語が発布、明治二三年(一八九〇)一一月には第一回帝国議会開設争(明治三七~三八年、一九〇四~〇五)という二つの戦争に突入していきます。日本は二つがらも次第に形を整えていきますが、より明確に自国の独自性を示す政治体制の確立は、明治一〇年代末からの中期以降になって見られます。まず、明治二二年(一八八九)二月には大日本帝国憲法が発布され、明治二三年(一八というように、国家の根幹となる政治体制が次々と制定されるようになります。またこの時代は、明治初期の文明開化や欧化政策の反動もあって、自国の伝統や文化を尊重し、国家体制の形成に反映させようという考え方も強くなり、さまざまな試みも始まりました。井上円了によって明治二〇年九月に哲学館が開設されるのも、まさにこのような新たな時代を創設する機運の中にあったわけです。次に明治二〇年代末以降に配当される第三期は、産業社会の急速な発展と、独占資本主義が進んだ時代です。その結果、日清戦争(明治二七~二八年、一八九四~九五)、日露戦 一 明治の開花期という背景   7

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