東洋大学史ブックレット7
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 最初の講演旅行 二4円了は、明治二三年から講演旅行を始めましたが、その記録を簡潔な日記にして、公表していました。円了は、十分な余裕のない人びとでも簡単に学べるようにと、講義を記録した『哲学館講義録』を発行していました。このなかに「館主巡回日記」として、旅行の要点を記事にしています。また哲学館を辞してからは、『南船北馬集』として刊行されました。記事は天気、移動、講演場所、面会者、寄付依頼者など簡単なものですが、これらにより講演旅行の様子を知ることができます。そこで最初の講演旅行のありさまを少し紹介しておくことにしましょう。井上円了の全国巡講

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